帰真園

五島美術館から多摩川方向に坂を500mほど下ったところにある二子玉川公園があります。平成25年にオープンした公園で、子供がボール遊びできる広場や、健康器具がある広場、1400本ほどの木が植樹された森などがあって子供から大人まで楽しめる公園です。また、一角には「帰真園」と名付けられた周遊式日本庭園があります。そこには明治末期に台東区根岸に建てられ大正時代に瀬田に移築された書院が、公園整備に合わせて移築され公開されています。庭園内からは植栽されたマツなどの樹木で回りからは隔離された景観ですが、角度によっては二子玉川RISEの高層ビルも庭園の樹木の向こうに見えたりとハイブリッドな風情を楽しめる落ち着いた空間になっています。庭園の監修は日本造園学会長や東京農業大学学長などを務められた進士五十八。こちらの庭園は多摩川の源流から二子玉川あたりまでをテーマにしているそうです。石積みの隙間から流れ出る水が庭園の池に注ぐ、そのせせらぎの音もここちよいです。

このエリアは古くは瀬田河原と呼ばれた景勝地で、大正末期に造られた玉川プールという当時日本唯一の公認プールがあったところです。オリンピック選手なども来日して競技会なども開催されていたそうです。また隣のRISEエリアにはよみうり遊園という遊園地があって戦前には読売大落下傘塔というパラシュートを体験できる塔もありました。戦争がはじまると兵士の練習場になったそうです。この鉄骨塔は後に江ノ島に移設されて江ノ島展望塔(2003年解体)になっています。江ノ島の展望塔は記憶に残っている方も多いかと思います。
戦後は二子玉川園、ナムコワンダーエッグ、いぬたま・ねこたまなどと変遷を重ねて今のRISEとなります。

二子玉川公園ビジターセンター Web https://www.ces-net.jp/futako-tamagawa-park/
帰真園