玉川大師
先に紹介した瀬田玉川神社から二子玉川へ向かう坂を少し下りて左に曲がったところにあるのが玉川大師。こちらは大正時代に創建されて、昭和9年に地下に延長100mにわたる胎内巡り地下仏殿が完成したようです。地下仏殿には四国88か所ならびに西国33番両霊場の約300体の石仏が祀らていて、ここを巡れば同様のご利益があるそうです。階段をおりるとしばらく真っ暗闇で通路も蛇行してます。段差はないので躓かないですが、右手で壁をたよりにおそるおそる足裏と手のひらの感覚だけで進んでいきます。先にほのかな明かりを感じてほっとすると地下仏殿。所狭しと並んでいる石仏に圧倒されながら異世界に来たような感覚になります。
私が巡って帰ろうとした時に来られた参拝者の方がいらっしゃったのですが、受付の人が案内しようと「はじめてでいらっしゃいますか?」とその人に訪ねたら「◯◯回目です」と颯爽と巡られていかれたので、お百度みたいに熱心に何度も参られている方もいらっしゃるようです。外のお庭にも多くの石仏があり、樹木で隠れがちですが大きなお大師さまもいらっしゃいました。本殿前に立てたれた大きな円柱石で造られた大寺標の裏の寄進者名には世界的に有名なキャラクターの会社の創業者のお名前がありました。
ちなみに、こういった胎内巡りは長野の善光寺が有名ですが全国各地にあります。たいていは人が多く集まる名勝地近辺とかにみられます。こんな住宅地に何故?と思いましたが、実はこのあたり、明治末期から大正の頃に渋谷から二子玉川まで走っていた玉川電鉄が乗客誘致のために玉川遊園を開発して、子供向けの遊具や動物園、京都の清水寺を模した「玉川閣」という演芸場などが立てられていました。そういえば、京都の清水寺にも随求堂に胎内巡りできるところがありますね。この地下仏殿が造られた年代とこのエリアの時代背景ればなるほどという感じです。
玉川大師 Web https://tamagawadaishi.com/