岡本八幡神社・岡本公園民家園

静嘉堂緑地に隣接する岡本八幡神社は江戸後期に編纂された新編武蔵風土記稿に記載がある古くからの岡本地区の氏神さまです。保育所西側の奥にある男坂とよばれる石段の参道です。東側の静嘉堂文庫裏口にもつながるなだらかな階段坂が女坂と呼ばれていてこちらからも境内に入れます。北側の崖線上の住宅地側からも北参道が整備されていて途中の本堂裏の傾斜地には末社の石祠が点在しています。

本堂は大正時代に改築されたもので、年を重ねた本堂ともにこじんまりした鎮守の森の雰囲気を味わえます。喜多見氷川神社の兼務社になっているようで社務所とかはありません。ちなみに、男坂の石段は昭和末期に改装され平成8年に改装になった石灯籠には奉納の名前として有名なご夫婦の名が刻まれていますのでチェックしてみてください。

岡本八幡神社に隣接して岡本公園。こちらには民家園というここ周辺にあった農家家屋が移設保存されて公開されています。同様に丸子川上流の次大夫堀公園にも姉妹施設である民家園があります。江戸時代に瀬田地区の百姓代をしていた長崎家の主屋は江戸中期の創建、後期に増改築と考えられています。主屋の軒下には当時の農機具なども展示されています。他には江戸末期に建てられとされる喜多見にあった土蔵。岡本八幡神社側の裏門にはには大正時代に桜地区にあった家の門が使われています。

民家園の展示物ではないですが、長崎家主屋左奥にはマニアックなものを見ることができます。渋谷町水道と云われる大正時代に人口が増えてきた渋谷の町に多摩川の浄水場から上水道を引くために造られたのですが、八幡神社の丘を超えるための水道管(80cmの太さがあったようです)を通すトンネルが半分埋もれながらも「岡本隧道」と刻まれて残っています。当時、多摩川脇の砧下浄水場からここを抜け、一直線で桜新町近くの駒沢給水塔、三軒茶屋を経て渋谷の町まで水道管を埋設工事したわけです。そのルートはいまでも地図を見ると弦巻通りなど一直線の道として確認できますし、三茶のキャロットタワーから見下ろすと一目瞭然です。

岡本公園は現在改装も行っていて、湧水を利用した親水遊具、湿生植物園や竹林、新しい遊具の整備などを予定しているそうです。

岡本公園民家園
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岡本公園民家園

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もっとステキな岡本公園プロジェクト「岡本公園を改修します!」
岡本八幡神社・岡本公園民家園